“死の事実”

葬式は人類の歴史と共にあったと言っていいでしょう。
フランスの歴史学者で、死についての本格的な学問の創始者の一人
フィリップ・アリエス(1914~1984)は『死の文化史』の冒頭で
 「かねて信じられてきたように、人間はみずからが死にゆくことを知っている唯一の動物だ、ということは、じつは事実ではありません。そのかわりたしかなことは、人間が死者を埋葬する唯一の動物だということです」
 アリエスはその証拠としてネアンデルタール人の墓地を挙げています。
この墓地は4万年以上前のものと言われ、
北イラクのシャニダール遺跡で発見されました。
墓地の人骨の周囲から花粉が発見されたのです。
これは死者を埋葬する際に花を供えていたことを示すと推定されます。
このことから死者は何らかの弔いの行為を伴って埋葬されたと思われます。
死者を弔うということは一緒に生活していたものにとって惜しむ、
悲しむという感情があったということであり、これは古今変わらない事実でしょう。
特に家族にとって、その死は特別なものです。
遺族や身近な人は死別によって悲嘆(グリーフ)の感情に襲われます。
これは否定すべきことではなく、極めて自然な人間的感情です。
この「悲しむ」という作業が葬儀の原点であると言ってもさしつかえないでしょう。
きっと、“死の事実”を受け入れるために葬式はあるんですね。(ノ∇・、)クスン

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